豊かな金色の髪を品良く後ろへ撫でつけたその青年――ドラキュラは、ベッドに膝を下ろし、身を震わせているシモンの頬をそっと包んだ。青年が身じろぎする暇も与えずにキスをする。シモンは目を見開いた。この口づけは彼の愛撫と同じやり方だった。甘い夢を見させるような優しい感触。姿かたちは若くとも、何度も口づけた感触に違いなかった。彼らは蔓薔薇であり、伯爵でもあるのだ。月さながらの美貌は青年をまっすぐに見つめ、愛を注いでいた。瑞々しく引き締まった体躯は、青年とはまた違う洗練された美しさがあり、力仕事とは無縁の高貴さがあった。
次々にかたちを成した若君たちは、シモンを取り囲み、思い思いに抱擁や口づけを交わした。ひとりが乳首をついばむと、もうひとりも反対側の乳首を吸い上げ、空いた手指をシモンの男根に絡ませながら、背筋や太腿を撫でさすった。脇の下や足指のあいだを丹念に舐める者もいれば、青年の鼻筋に男根を押し付け、奉仕を迫る者もいた。シモンはひとりのを口に含み、もうひとりのを手で扱いた。愛撫が平等になるように、口淫と手淫を入れ替えて、代わる代わるに愛撫を加えると、皆はその行為を喜び、ご褒美のように蜜を飛ばした。
彼らが放出するのは精液ではなく、甘く香る白い蜜だった。喉の渇きや肉体の傷を癒やし、人をさらなる興奮へと誘う魔性の蜜だ。口に注がれたそれをシモンは惚けた表情で飲み下し、次に順番を待っていた若君たちの逸物を同じように愛撫し始めた。シモンを慈しんでいたひとりは、指先を茎のかたちに変じさせて、シモンの尿道に柔らかな棘を侵入させた。「あんんっ!」青年の甘く困惑する悲鳴を楽しむように、葉肉より芯のある柔らかい棘をゆっくりと抜き差しする。それは青年の肉を決して傷つけることなく、快感だけを与え続けた。奥まで差し込まれた茎が引き抜かれるとき、棘は逆向きに反り返って、狭い肉壁をこすり上げる。茎を差し入れればまた反り返り、尿道を甘く刮いでいく。その動きは不定期に早くなったり遅くなったりして、青年を良いように喘がせた。体中を舐められ、吸い付かれて、揉みしだかれる。男根相手にシモンも同じことを繰り返し、浴びせかけられる白い蜜を味わっていた。
「はぁ、あ、もう――あぁあ……っ!」
数多の愛撫がシモンを高みへと導いた。棘が抜かれた瞬間、ため込まれていた精液が勢い良く噴出した。青年の腹や胸に飛び散ったそれを、若君たちは愛おしそうに舐めとった。情欲のしるしは蔓薔薇たちの栄養になるのだろう。射精の余韻に浸る間もなく、シモンは腰を浮かせて紫の刺激に耐えた。尻の奥がうずき、快感が走るとともに、シモンの逸物はむくむくと反り返り、睾丸はずっしりと重く膨らんだ。まだまだ饗宴は終わりそうもない。
ひとりがシモンを後ろから抱え上げた。幼子に用を足させる格好で青年の両脚を広げさせると、オイルでぬるついた尻に肉茎を挿入した。
「あぁっ!」
シモンは甘く息を抜いた。うずいて仕方がなかった尻に挿れられた最初の男根だった。小刻みに突き上げられながら、頬に寄せられた肉棒に奉仕する。三本の肉茎へ順番に口淫を施したが、満足されずにそれらを同時に口の中へねじ込まれた。「んむぅっ」はみ出した逸物で鼻や耳の穴を嬲られて、シモンは涙を滲ませた。しかし瞳は悲しみの色には染まらず、熱い情欲の潤みを帯びた。
穴という穴を犯されている最中に、シモンは両手にも男根を握らされて、扱くことを求められた。シモンは彼らの望むままに丁寧に男根を扱いた。彼らは椅子に腰掛けている伯爵の意思そのものだからだ。伯爵は貴族の若者たち(若い頃の自分自身)に弄ばれるシモンの姿を愉しそうに眺めていた。青年は貴族の遊びとして彼らに好き勝手に嬲られているようにも見えて、美しい若者たちを侍らせて奉仕させているようにも見えた。目眩く性交に耽る愛する青年――その表情は苦しげであるのに、確かな恍惚に濡れ光っている。伯爵は穏やかな微笑みを浮かべていた。被虐、倒錯、放埒、背徳。性的に満たされることこそが今の青年の喜びであるのだと信じて、目の前で繰り広げられる官能的な光景を、青年が漏らす甘い悲鳴を、どこか寂しげな面持ちで受け入れていた。
若君たちが次々に達し、青年の口や尻に白い蜜を注ぎ込んだ。尻を責めていたひとりが離れると、別のひとりが入れ替わりに男根を挿入した。体勢を変えて青年を自分の体にうつ伏せにさせると、もうひとりがすでに挿入されている尻の中に分け入ってきた。
「ひ――あぁあ……っ!」
いびつに拡がる肉色の蕾。あまりの苦しみに耐えきれずしがみついてきたシモンを、下にいる若伯爵がなだめるように抱き返した。いや、いやと繰り返す青年をキスや抱擁で慰めながらも、攻め入ることはやめようとせずに、ふたりがかりで青年を味わった。ひとりがゆっくりと肉棒を引き抜くと、もうひとりが奥まで深く突き入れた。それは決して青年の内から出ようとはせずに、青年の肉壁を交互にこすり続けた。排泄も注入も休まることがない。
「あうぅ、あぁ、ああぁ……」
青年の反応が単調になれば、若君たちは肉茎に柔らかな棘を生やして、シモンの内をリズミカルにかきまわした。
「いあぁっ、それだめ、気持ち良いからぁっ!」
猫の舌のようにやわらかく、甘い刺激のある棘だ。決して刺さることも傷つけることもなく、青年に快楽のみを与えていく。ひと突きごとに数多の棘で(しかも二本の肉棒で)肉壁をこすられて、シモンは身悶えんばかりによがり泣いた。
「ひやぁああアっ、抜いて、抜いてくれ――棘を……っんはぁあっ……しまってくれぇ……っ!」
シモンは両脚をカエルのように広げて、身が裂けるほどのきつい快感を耐え忍んでいた。
やがてふたりぶんの白い蜜が尻の中に注がれた。休憩する間も与えられずに、別のふたりが同じように奥に分け入ってきた。今度は体を仰向けにさせられ、大股開きの格好でふたりに挟まれた。彼らは最初から肉茎に棘を生やしていた。滑りを良くするオイルが棘からたらたらと滴り落ちている。二本の男根がずぶずぶと肛門に沈み込む感触にシモンは弱々しい嬌声を上げた。
「やぁあ……いや、やだぁ……あんん……っ」
シモンはのしかかってきた若伯爵と抱き合い、口周りを汚すようなキスをした。苦痛と過ぎた快楽を和らげるための行為だったが、この愛され方を喜んでいるようにも見えた。若君の腰に脚をまわしてしがみついているのだ。二本の男根は深々と中を穿ち、柔らかな棘でいくつものポイントを交互に突き上げた。
あまりに尻を責められ、潮や尿を噴き上げると、恥ずかしいしるしが腹を伝ってシーツに染み渡った。シモンは視界の端に映った若君たちの表情を見て、信じられないようにぞくぞくと身を震わせた。シーツに染み込んだそれを見て、若君たちがもったいなさそうに舌なめずりをしたのだ。なおも腹の隙間から溢れるそれに口づける者も出て、シモンは声も無く頭を振った。あぁ、彼らはやはり蔓薔薇であって、伯爵ではないのだとシモンは悟った。伯爵本人が見ている前で、自分はこんなにもみだらな姿を晒している。倒錯的な思いでシモンが達すると同時に、ふたりも白い蜜を尻の中に注ぎ込んだ。花の蜜が溢れそうになったが、肛門を緩める隙も与えられずに、再度うつ伏せにさせられ、ふたりが侵入を果たした。
「ひや、あ、もう、やめて……やめてくれ……」
ふたりがかりの責めはそれから何巡も行われて、何度達したのか、何本の肉茎を受け入れたのか、シモンは何もわからなくなった。ふたつの肉茎に責められている最中に、そろそろ刺激にも慣れた頃だろうと、まわりにいる若君たちに手を取られて、男根を扱くことを強要された。口の中にも男根をねじ込まれて、奉仕が足りなければ尻の責め方を激しくされた。時折四つんばいの体勢を取らされて、尻を責められているあいだ、口に肉棒を咥えさせられ、水の代わりの白い蜜を飲み込まされた。時間が経てばそれは新たな潮や尿に変わって、今度は皆が舐め取れるような体勢で噴き上げさせられた。自分の体液は一滴残らず皆の栄養となるのだ。シモンは両脚を抱え上げられた状態で、皆の舌を感じながら、愛欲にとろかされた身を震わせていた。
シモンは腹が膨れ上がるほどの花の蜜を尻に注がれた。最初から腹に溜め込ませる目的でふたりがかりの責め方をしていたのかもしれなかった。ぐぽん、ぐぽんと肉棒で尻をこねまわされたあと、最後の仕上げというように大量の蜜を注入された。シモンは熱に浮かされた表情で彼らのすることを受け入れていた。伯爵が種子を埋め込んだときと同じように、膝が頭の横に来るまで脚を抱え上げられて、尻が真上に持ち上げられた。
「あぁ……やめて、やめてくれ……」
シモンの弱々しい懇願に蔓薔薇たちは微笑みを浮かべていた。頼みは聞き入れられず、ゆっくりと男根を引き抜かれると、限界を迎えていた肛門は直ちに決壊した。尻から勢い良く溢れ出した白い蜜がシモンの顔面に降り注いだ。
「ひあ――あぁあーーっ!」
胸元まで及ぶ白い放水に顔中を汚されてシモンは果てた。精子はシモンの口内へ飛び散り、口の中に流れ込んだ白い蜜と混ざり合った。シモンはそれを舌の上で味わったあと、熱い潤みを何回にも分けて飲み下した。苦悶の表情はわずかなもので、朦朧とした意識のなか、全身をみだらな赤みに染めながら、快感の波にたゆたっていた。