玉肌(ぎょっき)

 混沌の産物である悪魔城には吸血鬼狩人にとってきわめて快適な場所が生まれ出ることがままある。本の世界も同じことで、共同浴場はそのひとつだ。大人数向けに設営されたかのような脱衣所や、勢いよく温水が出るシャワー、源泉掛け流しの広い湯船が一揃いあり、石けん類まで用意されているのである。誰がなんのためにと思わないでもなかったが、せっかく用意されているのだからと、狩人たちのあいだで男女交代で時間を決めて入浴する習慣が生まれた。無限に増える部屋や設備を管理しようもないのか、いまのところ、魔王の軍勢がここを破壊しようとする気配はない。混沌の城は混沌であるがゆえに平和な場所もあちこちにあるのだ。

 脱衣所にて、リヒターは下穿きを脱いだシモンに驚きの声をあげた。

「シモン、なんだそれは」

 目を丸くしたのも無理はない。シモンの臀部は黒いベルトでWのかたちに持ち上げられていたのだ。股間は覆われているものの、鍛え上げられた尻はむきだしの状態で、一種卑猥な肉感を生んでいる。
「ジョックストラップだな」ユリウスが小さくうなずくように言った。

「スポーツ選手がよく使う、陰部の揺れや動きを防ぐためのサポーターだ。なるほど、いつにも増して今日のご先祖は身のこなしがいいと思ったら、それを着用していたのか」

 天と地との境も曖昧な世界で、メナスという様々な悪魔の集合体である怪物の体を、シモンは蹴り上げ、踏みつけて、危機に瀕した仲間のもとまで駆けつけた。そして霊薬を使い、冥界から連れ戻した仲間とともに、強大な敵を討ち払ったのだ。全員が無事に帰還を果たした戦いにおいて、重要な役割を担った装備品に、ベルモンド一族は興味津々になって、シモンの下半身を見つめていた。

「どこの世界で手に入れたんだ?」「着用方法は?」「具合はいいのか」

 いっぺんに尋ねられても困るといった様子で、シモンはジョックストラップを外しながら、こう呟いた。

「……人数分、頼んでみるよ」

 ざわ、と、音にするならそんなざわめきが生まれた。シモンの返答に対してではない。皆が皆、先ほどとは違う勢いで、シモンの下半身に注目したのである。ユリウスがこほんと咳払いをして、シモンに尋ねた。

「あー……ご先祖の肌は、なんだ。腕も腿もきれいだと思っていたが、そこも、生まれつきそうなのか」

 問いの意味を理解したシモンは、赤くなった頬をさらに赤らめた。うつむき、恥ずかしがりながらも、勇気ある声でそっと答える。

「清潔さを保てると聞いて……その、もう、生えてこないようにと……」

 サポーターの着用や永久脱毛を勧めたのはどこの誰か、皆聞かないまでも理解したが、口には出せなかった。そしてこの話題はここでお流れになった。風魔がシモンをかばうように、洗い場へと背中を押したのである。
「体を流してくれ」と平常と変わらない声で頼む風魔に、シモンはほっとしたように「あぁ」と応え、こちらもふだんの声の調子に戻ったのだった。

 シャンプー中にふたたび皆の視線はシモンのほうへと向けられた。リヒターが感嘆したように「相変わらずきれいな腋だな」と、シモンを褒めたのである。
「たしかに」とユリウスが興味深いように話を引き継ぐ。

「よほど鞭を振っていなければこうもなめらかな腋は保てまい。一本も生えていない、見事な腋だ」

 泡を流すシモンの動作がいつもより早くなった。慌てたのと、恥ずかしさのためである。
 聖鞭の継承者は鞭を自在に振りこなす鍛錬を重ねるためか、全員が全員、腋の毛が生えていない。鞭を振る練習をするうちに、毛根がすり切れてしまうのだ。(ユリウスの腋も非常になめらかである)いままで親や子の体を見て、おそらく皆そうなのだろうと想像するほかなかったことが、この本の世界で、実際にそうだとわかったのだ。その盛り上がりは尋常ではなく、今もスキンシップのように会話の糸口となっていて、聖鞭継承者たちの互いの練習量を褒め合う材料となっている。男性陣のなかでも、特にシモンの腋はきれいだと話題になり、入浴のたびに「さすがだ」「すばらしい」と口にのぼるのである。本人はいささかいたたまれない気持ちで「お前たちの腋もきれいだ」と、困ったように笑う。子孫たちはそれが嬉しくて、偉大なるご先祖の肌を誇りに思いながら、あわよくばするりと腋に触れ、きゃっきゃするのである。女性陣には見せられない秘密の腋談義は今日も尽きない。

 湯船に浸かってその様子を見ていた蒼真が、隣のジョナサンに「なぁ、ベルモンド一族っていっつもああなの?」と尋ねた。「さぁ」と、どうでもいいような、ふてくされたような表情で、ジョナサンは答える。

「一族で集まったらああなるんじゃないのか」

 苦々しいような、会話に入っていけないような呟きを耳にして、リヒターが快活に声をかけた。

「安心しろジョナサン。お前の腋もきれいだぞ」
「別に、嬉しくねぇし!」

 その顔の赤みはのんきな会話への怒りによるものか、恥ずかしさのためか、それとも照れの現れであるのか、蒼真にはいまいち区別がつかなかった。

 古の城にて。
 伯爵の私室に遊びに来たシモンは、子孫たちに人数分のジョックストラップが欲しいと頼まれたことを、一連の入浴シーンも併せて伯爵に話した。
 テーブルに優雅に頬杖をついて話を聞いていた伯爵は「別に、君以外のを見たいわけでは」と、おもしろくもなさそうに呟いた。「うん?」「いや――」
 シモンの悪気なく尋ねる表情を見て、伯爵の眉が片方、不自然につり上がった。ベッドへ歩み、ゆっくりと腰掛ける。

「人数分誂えてもいいが――それがきちんと有効に働いているか、見分けなくてはいかんな」
「付け心地はとても良いぞ」
「サイズのこともある。詳しく調べたいから、こちらへ来てくれ」

 疑う様子もなくベッドへと歩んだシモンは、「脱げ」と言われて、素直に草摺を解き、黒の下穿きを脱いだ。カップに覆われた立派な股間を目の前にして、伯爵は唾を飲んだが、平静を装い、後ろを向くように指示した。シモンは少し躊躇したが、言われるままに、健康的な肌色をした尻を向けた。尻たぶをしっかりと支える半円形の黒いバンドが目の前に現れて、伯爵はそのむっちりとした尻にかじりつきたくなった。豊かな谷間に顔を埋めたい気持ちを抑えながら、そっと片方のバンドに指先を入れる。弾力を確かめるように引っ張り、内側から腰へなぞるように指を動かして、ぱちんと生地を弾く。ちらりとシモンの顔を見ると、その表情には多少の恥ずかしさが浮かんでいた。手のひらを差し入れて、ゴム全体の強度を測るようにバンドをずらしたり、引っ張ったりして、なめらかな肌をさする。

「あの、ヴラド」
「なんだ」
「これでサイズとか、付け心地とかがわかるものなのか?」
「わかるとも。すべてはわたしの感覚で作られているからな――こうして強度や弾力性を調べなければ人数分など用意しようがない」

 実際は物品取り寄せの術によって既製品を穿かせているにすぎないのだが、伯爵は堂々と嘘をついて、シモンの尻をまさぐった。尻たぶをこねあげて、割れ目を指でなぞり、生地を引っ張って、股間を締め付ける。
 (これも子孫たちのためだから――)
 切ない息がもれるシモンの様子を楽しみながら、伯爵はこんなことも言った。

「そういえば、除毛したことにも触れられたのだろう? 具合はどうだ」
「具合って」
「生えてきていないかということだ」

 確認したいのだがなと、伯爵はシモンの苦しげな表情を見上げながらそう言った。「脱いで、こちらに横たわってくれないか」
 下だけでいいぞと呟き、伯爵はさっさとベッドに両脚を組んだ。呆然と立ちすくむシモンに「早くしたまえ」と言い捨てて、脱衣を強要する。

 シモンは振り返ることのできなかった体をもじもじとさせたが、結局は言われるままにジョックストラップを脱いだ。カップに締め付けられていたそれが空気に触れる。その様子を、伯爵は冷徹とも言える目で見据えていた。
 シモンはのろのろとベッドに上がった。シャツをたくし上げて、脚を半端に開いたまま、膝立ちになる。変化の訪れたそれを目にしたくないように、白いシーツを見つめながら。

 静かに凝視されたあと、Vラインに伯爵の指が触れた。びくつく体をどうともしないように、するすると指を添わせて、毛根の具合を確かめる。陰茎に隠れた部分をそっと押さえるように、手のひらを当てて、至近距離でのぞきこむと、敏感な部位に鼻息がかかったのか、シモンはかたく身をこわばらせた。呼吸と同じように、シャツを握りしめる手が震えている。
 ――見られている。鳥肌が立つのに、下腹部から熱くなる感覚も同時にわき上がってくる。

「こちらは大丈夫だが、中心はどうかな」

 若干喉に絡まった声がシモンの頬をより赤くさせた。

「仰向けに寝転がって、脚を開きたまえ」

 シモンは考えるような、ためらうそぶりを見せたが、結局は言われるままに脚を開いた。膝が震えていた。秘められた部位が丸見えになり、陰嚢から続く短い小路が露わになる。淫水焼けとはまるで無縁の、淡い薔薇色の肉が、いっさいの千草なくしっとりと開けている。伯爵はひくつくそこをいとおしむように、数本の指で撫でたあと、両手で裂くようにして、肉を開いては、ぐにぐにと揉み込んだ。骨のかたちを確かめる勢いで、薄い肉付きのそこを開いては、一本の線を作るように押し潰す。
 シモンはきつく目をつぶり、シーツに顔を埋めて、恥ずかしさに耐えた。いたずらをされているのはわかっていた。しかし、伯爵の楽しそうな息づかいや、指の動きを感じると、なにも言えなくなってしまった。体がじんじんとして、熱い。

「横を向いて――尻を上げろ」

 最後の確認だ。しっかりと肉のついた部位を押し広げて、すぼまりの周辺を確かめようというのだ。シモンはうめくような声を上げたあと、言われたとおりに腰を上げた。恥ずかしさに耐えるように上半身をうつぶせた姿勢で、伯爵の指を待つ。やわらかな肉の中心にかゆみにも似た刺激が走った。
 じっくりと、舐めるように見られているのだ。
 すぼまりが勝手にひくつくのがわかる。それをおもしろがられているのも――。
 両手で穴の周辺をなぞられて、シモンはとうとう声を上げた。すべすべの肌から、いつも可愛がられている部分へと指がすべる。ふっと息が吹きかけられた。びくつき、身をこわばらせるシモンを見て、伯爵は片眉を上げながら、満足したように体を離した。

「よくわかった。服を着たまえ」

 え、と思わず声が漏れた。振り返ると、伯爵はどうしたという顔でこちらを見つめている。「確認はした。もういいぞ」
 それきり背を向けた伯爵に対して、シモンはなにも言えなかった。体が重いような動きで身を起こして、皺のついたシャツを腹部まで下ろす。たしかに具合を見るだけという話だったが、でも――。
 シモンはうつむいた。自身の体は、服はおろか、下着も身につけられない状態になっていた。振り向こうともしない伯爵の背中を見て、痛む胸を抱えたまま視線を下げる。しばらく押し黙ったあと、シモンは恥じるようにこう言った。「……トイレを貸してくれ」
 その言葉を耳にして、伯爵は立ち上がりかけたシモンの体を後ろから抱きしめた。切ないような、急な勢いで。

「すまない――すまない。意地悪をしてしまった」

 君が皆と楽しそうにしていた話を聞いたものだから――伯爵は首筋に顔をすり寄せて、そう囁いた。

「君の裸を皆に見られたかと思うと、悔しくなって、それで――」

 喉に絡まるようなこもった声を聞いて、シモンは困り顔から、やさしく慰めるような表情に変わった。肩に触れて、「うん」と頭をこすりつけながら、キスをねだるように瞳をとじる。甘いついばみが長く、楽しげに、部屋にこもった。
 途中で、シモンは不安そうに眉を下げた。「どうした」と尋ねると、シモンはぽつりとこう呟いた。「少し、怖くて」
 でも大丈夫だとシモンは微笑んだ。「お前のもこんなに元気になってる」嬉しそうに伯爵の下腹部を見つめたあと、シモンはそっと囁いた。「愛し合おう」

 一糸まとわぬ身を抱き合いながら、ふたりは濃厚なくちづけを交わした。
 舌を絡ませて、見つめ合ったあと、またくちづける。求め合う気持ちを確かめるように、ふたりは互いに惜しみない愛撫を続けた。

「たしかにきれいな腋だ」伯爵はシモンの腋へ唇をすべらせながらそう囁いた。声の振動によるくすぐったい刺激がシモンの身をこわばらせた。「褒めちぎりたい気持ちもわからぬではないが――わたし以外の者が君の腋を触るなど」

「もうその話は」悔しいように舌を這わせる伯爵の気持ちを切り替えさせようと、シモンは眉を下げて、自身の胸を持ち上げた。困ったような微笑で「吸うか?」と尋ねる。ほんの冗談のつもりだったが、伯爵は乳首にむしゃぶりついた。翻弄されるシモンの胸をもみ上げながら、あえぎ声も無視して、左右の乳首を交互に吸い上げる。
 は、は、と荒く息をつくシモンは、夢中で胸を吸う伯爵の頭を、両手でしっかりと抱きしめた。いとおしいように、離さないように。
「お前のものだから」情熱を高めるように、かねてからの想いを告白するように、伯爵の美しい額にキスを落とす。「好きにしていいから」

 その言葉に伯爵は燃え上がらずにいられなかった。彼はたっぷりと胸を吸い上げて、シモンに潤みある声を上げさせた。上気した頬のシモンを満足そうに見つめたあと、潤滑剤を手にとって、青年のすぼまりを丁寧にほぐした。うつぶせにさせて、なめらかな肌を丹念に愛撫する。後ろに肉をあてがうと、ひめやかな声がもれた。そのままゆっくりと彼の内に入り、あたたかな体を味わう。陰嚢が触れるほどに侵入を果たすと、シモンの体が切なく震えた。たまらないようなあえぎ声が枕元にこぼれてゆく。

「顔を見せてくれ」

 冷静な声に、シモンは大柄な身をくねらせて振り向いた。肩口からのぞくその表情は甘く、熱に浮かされて、涙をにじませて震えている。少しでも下半身を触れさせると、喉の奥から子犬のようなか細い声をもらして、快楽に耐える仕草を見せた。
 伯爵は充分に量のある潤滑剤をふたたび手に取り、シモンとの尻の間にどろどろと垂らした。

「あ、あ、そんなこと、したら……!」

 焦るような悲鳴を聞きながら、伯爵は腰を動かした。肉と肉のぶつかる音がいつもより潤みを増して甲高く響く。すぼまりは泣くように伯爵を求めて緊縮を繰り返し、ぐちゃぐちゃとはしたない音を立てては、歓びながら杭を押し出す。そして、穿たれ、青年に甘い声を上げさせる。尻たぶも陰嚢も吸い付くように肌に張り付き、ぬるりとすべっては、互いの体に熱い快楽を生んだ。
 シモンは呆とした目、開きっぱなしの口で、頭の芯が痺れるような快感を受け止めていた。
 尻があたたかく、触れるところがすべて気持ち良い。肌のなめらかさは彼の愛情をより深く感じ取るために生まれ変わったかのようで――シモンは達した。
 突かれるたびに精液が勢いよく飛び出して、青年はわけもわからずにシーツを濡らした。きつく締め上げたすぼまりが彼の熱情を内へと導いていく。奥へと注がれる彼の愛を、シモンは尻を上げて、すべて飲み込んだ。射精が済むのを待つ体は、熱く脈打ち、従順に震えていた。伯爵は名残惜しいように腰をまわして、内奥をこねあげている。
 シモンは熱で潤んだまなざしを後ろへ向けて、肩口からそっと呟いた。

「ヴラド、もっと――」

 伯爵は心得たように、いったん体を離した。シモンを仰向けにしたあと、ふたたび突き入れる前に、青年の中心へ潤滑剤をまき散らした。「――ひあ、あ」
 冷たさと、いやらしさにびくつきながら、シモンは伯爵を受け入れた。
 二度、三度と注がれる射精にも物足りないというように、シモンは繰り返し繰り返し、伯爵を求めた。潤いに満ちた肌は彼しかいらないというように、吸い付いては離れ、こすれあい、シモンに淫らな声を上げさせた。
 だらしなく脚を開き、快感に打ち震えるシモンに、伯爵はやさしくキスを流した。彼からこんな泣き声を聞くまでは。

「気持ちいい。どうしよう、ヴラド……」

 再度燃え上がった情熱の火を青年の内に放とうと、伯爵は衰えることのない勢いで、シモンの両脚を抱え上げた。
 覆い被さる体は甘い悲鳴を包み込んで、淫らに、激しく、青年を求めた。

 失神することなく伯爵を受け入れ続けたシモンは、恥ずかしそうに彼の腕に抱かれていた。最後、赤ん坊のように愛の名残を溢れさせたシモンは、ただただ泣きながら彼の処置を受けたのである。自身はなにもせずに、はしたない音を漏らしながら、手際よい彼に、大事なところを拭かれた。そして、それにも快楽を感じていたのだ。
 こんなに乱れるなんて、どうかしている――シモンは当初の不安を口にした。

「相性が良くなっただけだ。恥じ入ることはない」
「でも」
「それより、ひとつ気になることがあるのだがな――」

 伯爵の問いにシモンは顔を上げた。こほんと咳払いするように、彼は尋ねる。

「誰にも言っていないだろうな――その、わたしも君と同じように、子供のような状態になっていることを」

 脚を動かす仕草で、なんのことを言っているのか理解したシモンは、「言うわけないじゃないか」と、伯爵の首筋に抱きついた。「私だけの秘密なんだから」

 自身のクッションを無くしたシモンは、その後、性交に至るときに、痛いと言って伯爵を拒んだのだ。

”清潔さを保てるのだろう、それならお前も私と同じようにしてくれ――でないと、とても愛し合えそうにない。”

 不承不承ながらも、伯爵はシモンの願いを聞き入れた。
 結果、このうえもなくなめらかになった肌は、互いの愛をより深く感じ合えるものになり――ふたりを以前よりも淫らにさせた。特に快感に素直な青年を、自制の効かない愛欲の虜に変えてしまうほどに。そのことに少しの恐怖を覚えたが、いずれは慣れるという伯爵の言葉をこれも素直に信じて、シモンは伯爵の腕に抱かれていた。なにも覆うもののない伯爵のきれいな肌を、シモンは嬉しそうに脚で触りながら、そのとがった耳へ囁いた。

「誰にも見せられないようになって良かった」

 シモンは伯爵の頬にキスをした。
 事態を受け入れていいものか、流されるままの、困惑とした表情を浮かべながら、伯爵はシモンの頭を撫でた。金色の髪の毛を梳いて、鼻筋にキスをする。喜んで目をつむる青年を見て、古の城主は、『まぁいいか』と、静かに息をついた。
 そして、すべすべになった肌を楽しむように、青年と脚を絡ませるのだった。

 終
 13/12/09(月)

 ジョックストラップはぜひとも画像検索してください。
 あんな感じのを付けたシモンさんを妄想したらたまらなくなり……。
 (あ、サポーターは全員に行き渡ったと思います)
 すべすべのふたりって、良いものですね。