きっと育めるもの・3

 城主の私室にあるものが届けられた。禿げ頭の人の身に姿を変えた死神が小さな箱に入れて持ってきたものだ。彼は城主の命を受けて人間のふりをして、その名もベロ・ルゴシと改めさせられた。シモンが元の姿に戻るまでのことであるし、城主の戯れはいつものことなので、死神は特に不満な顔もせずに言いつけに従った。「ご苦労だった」幼くなったシモンをちらりと見て、部屋を出た死神は、やれやれといったように首を振った。幼い狩人がこれからされることを思い、憐れみとも呆れともつかない小さな笑みがこぼれてしまったのである。

 きれいな小箱を開けた伯爵は、一枚のセロファンを取り出した。箱の中には同じものが何枚もあり、作成されたばかりのような真新しい輝きがあった。少年の状態を確認するために必要なものとして、伯爵の命によって錬成された品だった。

「シモン、こちらへおいで」

 伯爵は少年を連れて寝室の扉を開けると、今ではすっかり清潔に乾いた寝台を指さして、服を脱いでそこに横たわるようシモンに言った。子供用の華美に過ぎない落ち着いた色合いのジュストコールを身につけていたシモンは、はじめは服の着方もわからなかったので、突然の言いつけにとまどった顔をして、胸元にもじもじと指をかけていた。

「まず上着を脱ぎなさい。次にジレを、最後にキュロットを。靴も靴下もそろえて。できるね?」

 静かな声が厳しさを感じさせたので、少年は言われたとおりに、そしてできるだけ早くに服を脱いだ。日頃厳しい鍛練を受けてきただけのことはあって、きびきびとした動作は子供ながらに立派だった。シャツとドロワーズだけの格好になったシモンに、伯爵は「それも」と指をさした。「裸になるんだ」

 シモンは一瞬顔を曇らせたが、それ以上何も言わない伯爵を見て、黙ってシャツを脱いだ。伯爵は指先ひとつで暖炉に火を入れた。魔法に驚くシモンに向かい「早く」と声をかける。驚きのおかげで最後の一枚を脱ぐときも奇妙な気持ちにならずに済んだ。シモンは伯爵に導かれるままベッドに仰向けに横たわった。

「君の体を検査するからね。排泄とともに体内のりんごの魔力が消費されたか、このセロファンで確認するんだ」

 伯爵は先ほどのセロファンを見せた。説明を受けてシモンは安心したようにまばたきをした。顔も体もまだ若干の緊張はあったが、ただの検査だとわかってずいぶん気持ちが楽になったようだった。伯爵は物腰もやわらかにベッドに腰掛けてこう言った。「このセロファンを君のお尻の穴に貼り付けるからね。脚を開いて、膝の裏を抱えるようにして、お尻を持ち上げなさい」

 後世で人の世に伝えられたぎょう虫検査の方法に似たやり方だった。剥離紙からセロファンを剥がし、肛門にセロファンを密着させたあと、元のシートに貼り付けて保存し、卵がセロファンに貼り付いていないか検査するのである。残存する魔力を見るのにセロファンがどう役立つのか謎だが、ともかく同じようなやり方で検査ができるのだろう。セロファンの使用方法をかいつまんで説明されてもちっとも頭に入らなかったシモンは、ただただ『そういうものか』と思い、素直に脚を開いて、膝の裏を抱えるようにして尻を持ち上げた。子供ながらに恥ずかしいポーズを取っていることはわかったが、自分の身に関わる大事な検査なのだからと思い、頬を染めながらも、昨夜さんざんに可愛がられた薔薇色のつぼみを伯爵に見せた。

「良い子だ」伯爵はセロファンを剥がし、そっとシモンのつぼみに薄紙を押し当てた。ひやりとした感触にシモンは息をつめた。セロファンにまんべんなくシモンの可愛らしいつぼみの状態を記録するように、伯爵は長い指を押し当てて、薄く硬質な感触のセロファン越しに、少年の中心を撫で上げていく。セロファンが乾いた音を立てて、角度を変えては、少年のすぼまりに貼り付き、薄く剥がれて、また貼り付いた。セロファン越しの伯爵の指は幼いしわの一本一本を愛撫するように、こすっては押し当て、縦に横に、円を描いてすぼまりを揉み込んでゆく。

 昨夜の愛撫を体に刻み込まれた少年には、あまりに刺激が強すぎた。
 検査のためのセロファンの感触は、少年の興奮を呼び覚まし、彼の幼いかたちを勃ち上げてしまったのである。
 伯爵は驚いたように目を見開いた。まるでそうなるのを待っていたように、長く押し当てていたセロファンをようやっと剥がして、それを大切にシートに保存しながらこう言ったのだ。「おやおや」と。

「いけない子だね、シモン。これは検査のためにやっていることなんだよ。忘れたのかい?」

「ごめんな、さい」息を上げながらシモンは涙目で謝った。恥ずかしい反応をしてしまって頬が燃えるようだ。どうすればいいのかわからないし、降ろしていいとも言われていないので、尻を丸見せに抱え上げたまま、シモンは小さく震えていた。「ここになにか欲しいのかね?」すぼまりにセロファン越しでない指先が触れた。それは待ち望んでいた感触だったが、怒られたくないと思い、シモンは「なにも欲しくありません」と答えた。反応をわかっていたように、伯爵はシモンの言葉を気にもかけずに、ふにふにとすぼまりを愛撫した。

「嘘をついてはいけないよ、シモン。それに、一日一度はわたしと愛を交わさないと、城の者がまた君にひどいことをするかもしれない。わたしと愛し合いたいと思わないのかね?」
「でも――いけないことって」震えながら尋ねるシモンに、伯爵はふふっとほほえんだ。「だから、愛し合う行為に変えるんだよ。そうしたらなにも恥ずかしいことなんかしていない。この反応も、わたしとの愛を思い出したから――そうだね、シモン?」

 シモンはとろけた瞳で小さくうなずいた。自分はこのひとと愛し合いたい。昨日のようなことをしたい。恥ずかしいことをさらけ出しても、すべてを受け入れてくれるような包容力を、目の前の相手に感じていた。

 伯爵はシモンの眼前に猛りきった男根を見せた。「あ」小さく呟き、その息を飲むような迫力に、シモンは目を離せずにぞくりと身を震わせた。互いに裸身となって向き合い、伯爵の下腹部に跪くような姿勢を取らせたシモンに、伯爵はやさしくささやきかけた。「昨日わたしが君にしたように、その可愛いお口でわたしを包んでおくれ」

 ごくっと唾を飲んで、シモンはおずおずと伯爵の逸物を口に含んだ。とても全部を飲み込めるものではなく、先端を音立てて舐め上げ、総身に少しずつ舌を這わせた。「手を添えて――さすれるだろう? 舌が触れていないところを愛撫してほしいんだ」言われたとおりにシモンは懸命に舌を動かし、なれない手つきで伯爵の太身をこすり上げた。陰嚢を口に含むことや、逸物を口に咥えて強く吸い上げることを求められたシモンは、従順に伯爵の教えに従い、慈しむ方法を覚えていった。伯爵はぞくぞくとした表情でシモンを見下ろしながら、その拙い愛撫に感じ入っていた。子供の彼と愛し合うのも彼の夢想のひとつだった。こんなふうに愛撫の仕方をひとつひとつ教えて、自身に奉仕させることを覚えさせたらどんなに気分が高揚するだろう。なにも知らない幼い狩人を心の底から自分に夢中にさせるのだ。屈服させる魔法も眼力も使うことなく、ただ少年の思いにまかせて、彼を愛欲の園へと導いていく。今現実にその願いが叶っているとは――「あぁ、とても気持ちいいよ、シモン。体の向きを変えよう。わたしも君を愛したいからね」
 頭を撫でられたシモンは、その心地よさにうっとりとなった。
 嬉しい。おじ様にもっと喜んでもらいたい。

 伯爵は自分の顔にまたがるよう、頭と反対にシモンの体を向けさせた。伯爵の頭上には脚を開いたシモンの股間があり、自分の下腹部にはシモンの顔がある。お互いを愛撫しながら気を高めようと説明されたシモンは、伯爵の腹の上でんっくんっくと顎を使った。ちゅぱちゅぱと吸い上げ、せわしなく手を使い、頭を振って伯爵を飲み込む。少年に愛撫への嫌悪感はなく、頭を撫でられたときの喜びと、それを求める強い気持ちがあった。
 上手にできたら、また頭を撫でてもらえるかな……。

 伯爵はシモンの剥きたてのたまごのようなすべすべの尻をいとおしく撫で上げた。脚に力が入るのを見ると、伯爵はほほえみを深くして、ゆっくりと中心に顔を埋めた。「んんっ!」シモンの奉仕が止まった。かまわずに伯爵は少年の敏感な部分をみだらに刺激した。その勢いは猛烈なもので、頭はゆらめく触手のようにあやしい動きを繰り返した。もぐりこむ動作は比喩ではなく、少年の尻に顔が半分埋まっている。陰嚢を中心として、肛門や幼い性器を口いっぱいに頬ばり、ねぶる。吸い付くように、飲み込むように、彼は少年を愛撫した。

「いやぁ」少年が逸物から顔を上げた。頭を振り、逃れたいように腕を伸ばす。「だめ、だめ、お尻を食べないで」大蛇に丸呑みにされようとしている犠牲者のようだった。生温い愛液に浸された尻がぬるぬるとした肉厚でまんべんなく撫でまわされている。懸命に伸ばした腕もむなしく、伯爵の愛技に翻弄された少年は、見る間に顔がとろけていった。涙目で震え、快楽に感じ入る。

「おじ様……おじ様……」

 口が離れ、すっかりとろかされたすぼまりに丸い先端が押し込まれた。ポーションが配合された潤滑剤入りの小瓶だ。中身を押し出すと、シモンは冷たさにびくついて、先ほどとは違った様子で足腰に力を入れた。
「このお薬が嫌い?」
「え」シモンはふるふると震えながらよく考えた。滑り込むように奥へと注入されるさらさらとした液体。「嫌いじゃ、ないです」ふふっと伯爵がほほえんだ。「じゃあたっぷりと入れてあげようね。大丈夫、昨日のように愛し合ううちに、お薬が流れ出して、お尻があたたくなるから、とっても気持ち良くなれるよ」

 いや、いやという声を無視して、伯爵は二本、三本と量を増やした。それらはすべてシモンの腹の中に飲み込まれ、下腹部を膨らませた。「あぁん、苦しい、おじ様やめて」泣きわめく声も快感だった。奉仕が止んでもいきり立ったままの伯爵の剛直は、少年の頬をぴたぴたと叩き、主導権がこちらにあることを少年に伝えた。やがて四本目を飲み込ませた伯爵は、体位を変え、シモンを下腹部にまたがらせた。挿入時にボトル半分ほどが漏れ出たが、残りは少年の腹に残って、伯爵の逸物をあたたかく包んでいる。伯爵はにっこりと笑った。そしてきれいな音を立てて指を鳴らすと、魔法でシーツを動かし、少年の手足を拘束した。「あっ、なに、なにするのおじ様」動揺する少年を翻弄するように、白い布はシモンの腰や膝裏に絡みつき、両手を頭の後ろへ組ませて、大きく開脚させた状態で空中へと抱え上げた。まるでもう一人の人物に後ろから腰を抱かれているようだった。白い布は足腰を抱き、逸物が引き抜かれないぎりぎりの位置まで引き上げると、滑車を引く手を離すように、勢いよく伯爵の腰に少年を降ろした。「あぁん!」

 ぱちゅんと水音を立ててやわらかな尻がつぶれる。そしてもう一度少年を浮かせては、あたたかい水をこぼさせながら、伯爵の腰に落とし、彼の剛直を飲み込ませる。その姿はなめらかな水を尻から噴き出す甘美な玩具だった。腹の中のものがすべて無くなるまで同じ動きを繰り返させられるのだろう。空中への引き抜きと落下の貫きによる強烈な快感を覚えたシモンは、そのあまりのみだらさに涙した。「やめて、おじ様やめてぇ」

「これはおもらし防止にもなるんだよシモン。排泄の恥ずかしさを思い出せば寝ているあいだも君の膀胱は引き締まり、昨日のような寝小便をすることもなくなるだろう」

 かぁっと頬を染めたシモンは、涙をこぼしながらも、伯爵の言葉の意味することを理解した。これはしつけであり罰なのだ。愛情をもって厳しく教え諭すための行為で、少し行き過ぎのような気もするけれど、おじ様は自分のことを思ってわざと嫌なことを引き受けているのだ。でも、嫌と思わなきゃいけないのに、二度としたくないと思わなきゃいけないのに、どうしてだろう、恥ずかしいのに、もっとしてほしいくらいに、気持ち良い……。

 ゆさり、ゆさり、白い布に絡みつかれた少年が、上下に揺すられて、とろとろとあたたかい蜜をこぼしながら、伯爵のものを愛撫している。新鮮なぬくもりを受けるたびに伯爵は深くほほえみ、腕を伸ばして、少年の未成熟な胸をもんだり、幼い勃ち上がりをやわらかくしごいたりした。「あぁ、おじ様、おじ様……」少年はとろけた顔で伯爵と見つめ合った。声が甘く、濡れている。
「わたしのことが嫌い?」「大好き、大好きです、おじ様……」「わたしも君のことが大好きだよ、シモン」

 だからもっと恥ずかしい姿を見せておくれ。

 白い羽が現れた。羽ペンのような一枚の羽だ。魔法で現れたそれは少年の腋に近づき、ひっと息を飲む少年にほほえむように、その腋をくすぐった。「いやっ、やめて、やめてぇ」

 一枚、二枚と増えていった羽は、少年の腋を、首筋を、背筋を同時にくすぐり、最終的には数十枚もの羽で、足の裏を、尻の割れ目を、ありとあらゆる敏感な部分をこちょこちょ、さわさわとなぞり続けた。それを続けたらどうなるかを知り尽くしている、悪魔のような仕草だった。

「いやっ、いやっ、いやーーっ!」

 身悶え、泣き叫んだ少年は、とうとう我慢しきれずにおもらしをした。放物線を描いたそれは伯爵の顔に当たり、それを伯爵は心地よさそうに目を閉じて受け止めていた。残らず放尿したあと、羽は消え去った。あとにはぐったりとした少年が涙目で震えていた。「あぁ、ごめんなさい、ごめんなさいおじ様……」
「これに懲りて、もう寝ているときにおじ様を汚そうとはしないね?」
「はい……」涙に濡れた少年が素直にうなずいた。本当は気持ち良くて、もっとおもらしをする姿を見られたかったけれど、しつけはしつけとして受け入れることにした。「よし、良い子だ。ごほうびにもっと気持ち良くしてあげる」

 そして白い布の拘束を解かれた少年は、伯爵に思うさまずんずんと突き上げられた。腹の中のものをすべて出しても突き上げは止まらず、もちろん射精とおもらしを繰り返しても尻のこね上げは終わらず、少年はひぃひぃと泣きわめきながら、伯爵とともに長い、長いあいだ、底知れぬ快楽を共有したのだった。

「おじ様、おじ様、もう出してぇ、ぼくの中に入れてぇ!」

 少年の懇願を受けて初めて伯爵が射精した。どくどくと注ぎ込まれる熱い精を感じながら、シモンはふぅっと意識を手放した。逸物が抜かれ、ぽっかりと開いたそこから、とろりと伯爵の精液が流れ出た。それを伯爵は満足げに見つめながら、少年の頭をやさしく撫でた。夢の中で、シモンは待ちわびていた伯爵の手のひらの感触を受けて、幸せそうにほほえんでいた。