ブログを更新したいけど、絵も漫画も無いので、あなばら(新刊の略称)のプロットを公開することにしました。
人様の漫画の描き方まとめとかそういう作品を見ていて、自分はどうだろう……と振り返ったところ、このプロットくらいしか設計図が無いな~と思ったので、上げてみようかなと。
(つぎはぎのメモみたいなものなので、読みにくいことこの上ないですが)以下あなばらのプロットです。
暇つぶし程度に読んで頂けると幸いです。
謎の女性に呪いの解き方を教えてもらい、命を救われたシモン
(呪いの解き方を教えたあと、朝もやの中に消えていって、それ以降女性の行方がわからなかったが、思わぬ偶然で再会する)
二頭馬車で屋敷へと移動中、世話係の爺やと話をしているシモン。
「貴方様の呪いも無事に解けて数年になりますし、そろそろ結婚のことを考えて頂けませんと」
「わかっている」
どこか気乗りしない返事をするシモン。
「世界を救った英雄ともなりますと、向こうからそういったお話を持ちかけてくださる方が大勢おりましてな。いずれも良家の子女、ベルモンド一族のますますの繁栄をお約束してくれます方々でして」
嫌そうな顔をするシモン。世継ぎのためとはいえ、財産目当てに顔も知らない相手と婚約をすることになるのかという表情だ。
そのとき、馬のいななきが聞こえて馬車が止まった。外の様子を見ると、若い女性が倒れている。はねたのかと思い馬車を降りるシモン。御者が言うに、突然馬が興奮し、前脚を踏み降ろしたところ、近くにいた女性が驚いて倒れたという。見ると水くみの帰りだったのか、近くに桶が転がっていた。
「申し訳ないことをした」
シモンは爺やに先に帰っているようにと伝える。
「汲み直して家まで運びます。井戸はどこですか」
女性は声を発さずに指をさす。遠くに井戸が見える。水をくみ、女性の家まで運ぼうとするシモン。
道中、女性はひと言も口をきかない。なんとなく口をきけない雰囲気を察して、無闇にものを尋ねることはせずに、優しく接するシモン。
家の前にいたニワトリの世話をしていた年配の女性がどうしたのかと立ち上がる。その顔を見るなり「あなたは」とシモンの記憶が蘇る。呪いの解き方を教えたあと、朝もやの中に消えていった謎の女性だった。彼女の名はエリア、娘のセレナと一緒にここに住んでいた。
「そうですか、わざわざありがとうございます」
家に招いてもろくなもてなしはできなかった。湯をわかして差し出せただけなのだ。
「魔王復活の際に魔物の襲撃に遭って、それ以来口がきけなくなってしまって――何か失礼をしていなければ良いのですが」「いえ、なにも――そうだったんですか」
「なぜあの場所に訪れたのですか。そしてなぜ呪いの解き方をご存じだったのですか?」
「数日前から貴方様のことは夢に見ておりましたわ。同時に呪いの解き方もはっきりとわかりましたの。夢は時々、少し先の出来事を見せてくれます。私は、貴方がいずれ取るべき道を先に夢で見ていただけのこと。貴方は魔王の遺骸を集め、城に赴き、呪いを封印した――わたくしはそのことを貴方に伝えたく思いました。この国を救った英雄の命が消えかかっている――けれど私どものような立場の者がお目通りすることは叶わない方とも知っておりましたから。魔王を討ち滅ぼした七年目のあの日、伯爵の身体が復活する日――もしかしたらと思い、天使の丘に様子を見に行ったのです。そうしたら貴方様がいらっしゃったのですよ」
「あなたはすぐに朝もやの中へと消えてしまいましたね。お礼をしたいとずっと思っていました。何か不自由なことがありましたら、お力になりましょう。また来ます、それでは」
不自由なことしかなさそうな暮らしぶりだった。
何より娘のセレナのことが気になった。
女二人だけで生活していけるものだろうか。
度々二人の元を訪れるシモン。
セレナは相変わらずうつむいてばかり。
魔王の遺骸の管理について話を聞きに行くという理由もつけたが、実際のところ、ベルモンド家に居ても結婚の話でうるさいから逃れたかっただけだった。
(訪ねにいくカットで不審な男二人組を見るシモンを入れる)
ある日、森の中の湖へ水浴びに行ったセレナの帰りが遅いことを心配する。(そこからはプロット通りで)
大恩のあるその女性とその後も親交を深め、彼女の娘セレナと知り合う
悪魔城復活の際に魔物たちの襲撃を受け、かろうじて生き延びたものの、その惨状を目の当たりにしたショックで、口がきけなくなっているという(7年前の出来事なので少女に近い)
恩義を感じているシモンは、なにかと彼女たちを気に掛け、生活が苦しくはないかと、様子を見に来る
最初はシモンと打ち解けないセレナ
粗野な男たちふたりがセレナの家の近くで何かを物色している
「ジプシーには見えねぇような金髪の娘がいるってのはここか」
「白人の客を取ったのか知らねぇが、白い肌の美しい娘っ子が母親とふたりで暮らしてる――おまけに口がきけねぇときてる」
「そりゃおれたちに好都合だな」
「毎朝裏手の森にある湖で水浴びをするんだ。そろそろ服を脱いでいる頃だぜ」
「ちょっくらかわいがってやるか」
ある日、森の中の湖に水浴びに出かけたセレナは、粗野な男たちふたりに見つかり、裸のまま外へ上がれなくなってしまう
男たちはセレナが上がるまで湖のそばに陣取り、たき火を焚いて、徹底的に待つ
やがて凍えだすセレナに「湖から上がったら俺たちが暖めてやるよ」と下卑た笑い声をかける
それでも上がらないセレナの近くに小石を投げる男
水が上がり、セレナの恐怖は極限に達する
突然、男の一人が後頭部に強い衝撃を受けて倒れ伏す
もう一人が「誰だ!」と振り向くも、顔も見ない間に殴り倒されてしまう
帰りが遅いのを心配して様子を見に来たシモンだった
気を失った男たちを軽々と担ぎ「森の中に捨ててくる。あなたは早く水から上がりなさい」とセレナに声をかけるシモン
震えながら水から上がり、タオルにくるまるセレナ
たき火のそばで震えているところにシモンが帰ってくる
あまりに長く水の中にいたために震えが止まらないセレナを見て、「失礼する」と彼女のそばに座るシモン
体を抱き寄せてマントにくるみ、その身をさするシモン
最初はびくつくも、徐々に落ち着きを取り戻し、シモンの肩に顔を寄せるセレナ
シモンのたくましく誠実な面立ちに心から安堵し、涙をこぼすセレナ
「恐ろしい目に遭いましたね」
やがて震えの治まった指先でシモンの手のひらに「ありがとう」と文字を書くセレナ
その日を境に、セレナは急速にシモンに惹かれていき、素直に好意を表すようになる
シモンのほうもセレナから向けられる純粋な好意に徐々に親密さを覚えて、セレナのことを好きになっていく
(ある日、セレナは母にニワトリを一羽絞めたいと申し出る。祭日でもないのになぜと思った母だが、あぁそうか、あの人が来る日だものねと理解し「一羽と言わず二羽絞めな。あの人はたくさん食べるだろうからね。秘伝のレシピは覚えているね? 誰もが夢中になる味だ。しっかりやりな」と応援する
その後訪ねていったシモンは豪勢な食卓を見て「私のためにこんなに」と感激する。味も今まで食べたことがないくらいにうまい肉だった。シモンは道中不審な男たちを見たのもあり(ギッと強く睨むと、すごすごと姿を消した)、その日、セレナに結婚の申し込みをする)
シモンは彼女たちの保護も考えて、愛するセレナとの結婚を一族のものたちに打ち明ける
一族のものたちは不明な出身である彼女たちとの結婚に良い顔はしなかった
シモンはそれ相応の身分の女性との結婚を望まれる立場なのだ
命を助けられたとはいえ、噂によればあやしげな術を使う彼女たちをベルモンド家に加えることは避けたいことだった
「噂によると魔女の娘とも」
「ベルモンド家の者がそのような世迷い言を言うな!」
彼女たちは断じてそんなことを言われるような者達ではないとシモンは言い、半ば強引に結婚の日取りを決める
説得は不十分でも、一族を率いる長はシモンなのだ
不服ではあるが、一族のものたちは彼の取り決めに従う
日は変わって、伯爵の墓参りに出かけたシモンは、セレナとの結婚を伯爵に報告する
「一族のものたちに歓迎は受けられないようで少し不安だが、根気強く説得していくつもりだ」
もしかしたら今までの暮らしのほうが彼女たちにとっては平穏な生活かもしれないが、しかし、やはり私のそばにいたほうが何倍も安全なのだ
「一部の者は魔女の娘ではないかと心無い噂をするが、普段通りに生活する姿を見せていけば、いつかきっと理解を得られる日が来ると思う」
伯爵の顔が曇る
火あぶりにされる妻の姿が脳裏によぎる
結婚の日取りを報告して去っていくシモン
星空の下、物思いにふける伯爵
結婚式の前夜、セレナは夢を見る
どこか知らない城に閉じ込められるが、その城はやがて崩壊する
シモンがそこまで迎えに来ているのに、部屋に閉じ込められたセレナは、どうやっても居場所を伝えることができない
ドアを叩き、口を開けるも、声が出ない
城は崩落していき、シモンともども瓦礫の山に飲まれていく――
飛び起きるセレナ
困惑しつつも、やはり声が出ない
この夢はなんだろう――不安な思いで月を見るセレナ
やがて結婚式当日――伯爵は蘇り、セレナを攫い、城に連れ去っていく
なんと不吉なことだろう、だから我々は反対したのに――
そう思っても、吸血鬼にさらわれて、なにもせずに別の者を娶るわけにもいかない。
一族のなすべきはただひとつ、城主を滅ぼし、花嫁を保護し、世界に平和をもたらすこと
苦言を呈そうとする爺やは、セレナの母が心からシモンにすがる姿と、ベルモンド家当主の覚悟を決めた顔を見る。その気迫に打たれて、何も言えなくなってしまう爺や
「シモン様、どうか、どうか娘を」
「必ず連れて帰ります」
シモンは悪魔城に乗り込み、伯爵と対峙する
その少し前――伯爵はセレナを部屋に閉じ込めたものの、決して牢獄などではなく、厳重に保護するといった空間に押し込めて、何も危害を加えずにいたので、セレナは戸惑っていた
自身の言葉を奪う原因ともなった張本人を目の前にして、怯えるものの、世間が言うような凶悪な存在には思えなかった
厳しい顔とはいえ、優しい面立ちなのだ
誰かのために動いているような横顔なのだ
「言っておくが、ドアを叩こうが、外からは部屋があるとはわかるまい。ただの壁にしか見えない造りだからな。相当な覚悟が無ければこの部屋の魔力は崩れぬのだ」
無言でいるセレナに少しの怒りを込めて伯爵は告げる
「声も上げられぬ女に己の運命を切り拓くことなどできぬ。ここでおとなしくしているのだな」
そう言い残して部屋を出て行く伯爵
外からの騒ぎでシモンが来たことを知るセレナ
伯爵と対峙するシモン
「なぜと問うても答えるつもりも無いのだろうな」
「戦いの前に”君”が問いかけるとは珍しい――」
良い友達のような表情と言葉を残して、戦いを仕掛ける伯爵
一瞬戸惑うも、次には精巧な攻撃を加えるシモン
ドアを叩くセレナ
ぱくぱくと口を動かすが言葉は出ない
互いに攻撃を繰り返し、伯爵がその命を削られるたびに、城の崩壊は進んでいく
やがて決着がつき、伯爵は膝をついた
「最後に答えるつもりはないか。なぜこんなことをした」
「処女をさらい、血を奪うは吸血鬼の性よ」
だが覚えておけ。あの者はよほど聖なる力が強いのか、このわたしをもってしても、血を吸うことが叶わなかった
「せいぜいその事実を上手く利用するのだな、シモン」
何かを悟ったような顔をするシモン
真意に気づき、友に駆け寄ろうとするも、伯爵は塵となって消えてしまう
城の崩壊が始まった
あちこちを探すがセレナを閉じ込めている場所がわからない
大声でセレナを呼ぶシモン
セレナの心に伯爵の声が蘇る
『声も上げられぬ女に己の運命を切り拓くことなどできぬ』
目をつむり、ぐっとつばを飲み込むセレナ
ドアを一度叩き、震えを抑えて、セレナは叫んだ「シモン!」
セレナが叫ぶたびに、ただの壁だった部分がドアに変わっていく
「シモン! シモン! わたしはここよ! シモン! シモーン!」
「セレナ、ドアから離れろ!」
初めて聞くその声はシモンに届き、彼はドアを破壊して、セレナを抱きしめた
手に手を取って急いで城を脱出するふたり
崖の上でシモンとセレナは身を寄せ合いながら城の崩壊を見届けていた
一族のもとに戻ったシモンとセレナは事の顛末を語る
「あの城主はわたしになにもできずにいました。部屋に閉じ込めるだけで、わたしに危害を加えることも叶わなかったのです」
彼女の母と一族のものたちは、セレナが口をきけるようになったことと、城主の行動に驚きの表情を見せる
「ドラキュラが死ぬ間際に言っていた。あの者はよほど聖なる力が強いのか、このわたしをもってしても、血を吸うことが叶わなかったと」
シモンは今や堂々とした態度で一族のものたちに告げる
「古から今に至るまで、夜の眷属に穢される危険のあったか弱き存在が、ついに魔王からその魂を守り抜き、闇を退かせたのだ。ベルモンド家にとって、彼女は確かな希望の光となるだろう。明後日、改めて結婚式を執り行うぞ。異議のあるものはいるか」
もはや誰も不平を持つものはいなかった
あのドラキュラが血を吸うことも、危害を加えることも叶わなかったのだ
魔女の娘などとはとんでもない、神のご加護を体現する女性の血が一族に加われば、今後の大いなる力となるだろう
皆に祝福されるシモンとセレナ
喜び涙ぐむセレナの母
何不自由なく暮らす親子と夫婦
そして日は流れ――シモンとセレナは伯爵の墓前に花を供えていた
「もう心配はいらないよ。すべてうまくいっている――お前のおかげで」
この偉大なる友は、どれほど大変な力を使ってくれたのだろう
「私たちを助けてくれてありがとう、ヴラド」
深い眠りの中にいる伯爵の霊魂
一輪の薔薇が夫婦を祝福するように咲く
驚き、やがて涙ぐむシモン
腕で目元を抑えるシモンに優しく寄り添うセレナ
おわり
ドラキュラ伯爵がセレナをさらったことで、純潔の証明にもなる(処女ではないのではないかと疑われていた)
大体いつもこんな感じで、プロットの段階で9割まで話を固めて、あとはネームで整えていくという感じです。
モブ木こりふたりの登場シーンは、思いついたのがネームをあらかた描いたあとだったので、まとめとしてプロットに追加したものの、本番では入れられませんでした。
そんなふうに追加していったエピソードが多いので、”そこからはプロット通りで”とか、自分にしかわからない書き方も多いです。
そして読み返してみると、”二頭馬車で屋敷へと移動中”とあるのに、漫画では一頭になっていたの、冒頭から面倒くさがったなコイツという感じで笑ってしまいました。
こんな感じでシンプルに漫画を描いています。
拍手ありがとうございました!